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「本当に必要とする人に届けたい」その一心で開発した保湿クリーム『ヒルメナイド』とは?

()マツモトキヨシホールディングスからヘパリン類似物質を含むクリーム「ヒルメナイド」が発売されることになりました。その開発にいたる背景やOTC医薬品の役割、これからの展望について、開発を担当した(株)マツモトキヨシホールディングス 商品開発課長で薬剤師の櫻井壱典(さくらいかずのり)さんに伺ってきました。※処方薬と同一ではありません。

 

乾燥肌の改善に役立つ製品を、ドラッグストアで手軽に買えるようにしたい

 

 

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−−まずは新発売のOTC医薬品「ヒルメナイド」を開発された背景からお聞かせいただけますか。

櫻井:ひとつには昨今、ヘパリン類似物質を含む医療用医薬品の保険適用外が検討される事態がありました。ひとまずそれは回避されましたが、本当に必要とする患者さんの不利益になってしまうようなことがあると、それはとても悲しいことですよね。

そうした背景はもちろんあるのですが、実はもう少し個人的な背景もあります。私の1歳の息子が皮膚科に通院しており、実際に日常的に息子のケアに使用しています。塗ったときは少しベトつきがあるのですが、次第にしっとりと肌になじんできて、その使用感と効果のほどは実感していました。

それからもうひとつ、我が家にはその1歳の息子の他に3歳と5歳の息子もいます。そうした状況の中、母親が一人で子供を連れてクリニックへ行くのは結構な負担になります。そこで、こういう薬がドラッグストアで手軽に買えるようになったらいいな、という思いもあったのです。

 

外部の刺激から守るオイルベースのクリーム

 

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−−現在、すでに複数種類のヘパリン類似物質を含むクリームやローションが市販されていますが、そうした既存の商品と「ヒルメナイド」の違いを教えてください。

櫻井:OTC医薬品、つまりドラッグストアなどでお客様が買うことのできる医薬品の中で、多くのクリームが水ベース(O/W型)なのに対し、この「ヒルメナイド」はオイルベース(W/O型)です。水ベースというのは水の中に脂が分散したような状態で、例えるならマヨネーズのようなイメージ。一方のオイルベースというのは逆に脂の中に水が分散している状態で、こちらはバターやマーガリンというイメージです。使用感が少しベトつくというデメリットはありますが、塗ってしばらくすると皮膚になじんでしっとりとしてきます。

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もうひとつの特徴として、ヘパリン類似物質を単味※で使用しているということが挙げられます。他の製品ではヘパリン類似物質の他に抗炎症作用のある成分などが含まれているものが多いのですが、副作用の心配を抑えるために単味※で使用することにしました。ですから赤ちゃんや敏感肌の方でも、安心してお使いいただくことができると思います。※単味…成分が単一であること。

このように、まだあまり世に出ていないタイプの商品ですから、製品開発にご協力いただけるメーカー様を探すのには苦労しましたね。数あるメーカー様の中からオイルベースの保湿クリームで実績のある企業様と交渉を重ね、今回の開発が実現したのです。

 

ワーキングマザーをはじめ、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く使ってほしい

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−−ヒルメナイドのメインターゲットとしては、どういった層を想定していらっしゃいますか。

櫻井:仕事、家事、育児に忙しく、つい肌のケアがおろそかになってしまっている女性がメインでしょうか。特にこれからの季節にひどく乾燥してしまって、そこで外的刺激を受けると皮膚炎を起こしかねません。赤ちゃんや小さなお子様も、ちょっと乾燥が気になるという時はぜひお使いいただきたいと思います。また、加齢によって皮膚表面の皮脂膜が薄くなってきてしまうので、ご高齢の方の冬の肌トラブルにもおすすめです。

価格は50グラムで1,280円(税込)を予定していますので、お求めやすいかと思います。使い方にもよりますが、一般的には50グラムあれば1カ月ぐらいはお使いいただけます。

 

お客様が選びやすい商品を開発するのがドラッグストアの使命

 

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−−櫻井さんはドラッグストアのプライベートブランドにおいてOTC医薬品を開発するお立場でいらっしゃるわけですが、最後にドラッグストアやOTC医薬品についての将来的なビジョンをお聞かせいただけますか。

櫻井:ドラッグストアの大切な使命のひとつに、セルフメディケーションをいかに推進するか、ということがありまして、これはずっと以前から言われていることです。その中で、今回の「ヒルメナイド」のような商品は、セルフメディケーション推進に役立つ代表的な商品になるでしょう。

セルフメディケーションに欠かせないOTC医薬品は、薬剤師や登録販売者が購入の際のサポートはするのですが、最終的にはお客様ご自身が選ぶものです。だから、常に「お客様にとって選びやすい」ということを重視して商品開発をしています。

その意味で、他社に先駆けて弊社のPBで行ったのがパッケージデザインの厳格なフォーマット化です。一目見ただけで、どんな症状にいいのか、どんな成分が入っているのか、その成分はどんな働きなのか、1日何回使えばいいのか、ということをわかりやすく伝えることに注力してパッケージデザインを決めました。おかげさまで売上も順調に伸びてきているところです。

今の時代、お客様のニーズは実に多様化しています。お客様からのいろいろな声や購買データなどを分析しながら、ナショナルブランドが手がけていない領域の商品も積極的に開発していこうと考えております。

乾燥肌を改善し肌本来の姿へ
「ヒルメナイド油性クリーム」

hirumenaido200「ヒルメナイド油性クリーム」はヘパリン類似物質を含有する高い保湿力の油性クリームです。またヘパリン類似物質のみの単一処方製剤であり、無香料・無着色、ステロイドフリー、エタノールフリーのため、赤ちゃんもお使いいただけます。
商品容量:50g      商品価格:1,280円(税込)
発売日:2018年9月11日  販売エリア:全国(一部店舗を除く)

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