CLOSE
記事を読む

令和を生きる多忙な女性におすすめ 「豆乳ヨーグルト」で健やかに

近年、働き方や結婚への考え方など、人々の“生活”が多様化している。特に大きな変化が起きているのが食生活だ。そうした中、2019年7月にポッカサッポロフード&ビバレッジが開催した「発酵豆乳イソフラボンフォーラム2019」において、作家・生活史研究家の阿古真理氏が登壇。女性のライフスタイルと食文化を研究する同氏に、昭和から平成、令和へと時代とともに変化する日本人の食について聞きました。

 

「昭和の時代は、食卓を中心に家族の交流や生活が営まれていました。しかし、1997年に共働きの既婚女性の割合が専業主婦を上回ったあたりから、晩婚化やシングル世帯の増加など家庭のあり方の多様化が進み、生活の中心は食卓ではなくなっていきました。令和には、この傾向がより強くなっていく可能性が高いですね」

阿古氏はこう説明し、なかでも“女性と食”との関わりには大きな変化が起きていると指摘する。代表的な変化のひとつが「時短ブーム」だという。

「発酵豆乳イソフラボンフォーラム2019」に登壇した作家・生活史研究家の阿古真理氏

「近年流行している時短料理は、『料理を作りたいけど時間がない』という女性たちから支持されています。この10年ほどで子育てしながら働く女性は増えましたが、社会全体で見ると、共働き家庭向けの料理や家事などの生活に対応するノウハウはまだ十分に蓄積されておらず、発展途上にあると言えます。料理や家事の時間を短縮しながら効率よく暮らすテクニックが求められています」

“女性と食”との関わりにおいて、阿古氏がもうひとつ注目しているキーワードが「発酵食品」だ。同氏によると、そのきっかけは2011年までさかのぼるという。

「東日本大震災発生後に、塩麹が注目を集めたのが始まりです。未曾有の大震災は多くの人々に精神的ダメージを与えました。殺伐とした空気のなかで、微生物が食べ物をおいしくしてくれる“発酵食品”に対して、生き物を育てているという温かみが感じられたのかもしれません。もちろん、そのような心理的なものだけでなく、健康面や食材の味をおいしくしてくれる発酵食品のメリットも大きく影響しています」

その後、塩麹を皮切りに、甘酒や味噌などさまざまな発酵食品が再評価され、ブームが続いている。とはいえ、味噌汁や納豆などの発酵食品を毎食取り入れるのは難しいはずだ。

「おすすめは発酵食品を調味料として使う方法です。味噌や塩麹は塩分が多いので使用量に注意が必要ですが、豆乳を発酵させた豆乳ヨーグルトを和え物に使うなどの方法でも発酵食品を取り入れることができます。豆乳ヨーグルトは、飲み物としてだけでなく、レシピのバリエーションが増えることでさらに広がっていくのではないでしょうか」

阿古氏は、時代の変化と向き合う女性たちに「今一度、食生活に目を向けてほしい」と語り、次のようにアドバイスする。

「タンパク質やビタミンなど、学生時代に家庭科の授業で学んだ“バランスの良い食事”は、子育てや仕事に忙しい女性たちの体作りを支えてくれます。手料理にこだわる必要はなく、お惣菜を買って品目を増やしたりして、食事を楽しんでほしいですね」

生活に追われて“食”について考える機会が減っているという女性も多いはず。これを機に自身の食生活を振り返ってみては?

CLOSE

このコンテンツは端末をタテにしてご覧ください